2014年7月29日火曜日

期間限定の割引をする理由




利益が出ないのは、利益にこだわっていないからです。こだわっていると思い込んでいるだけです。こだわるとは、客単価×数量の最適化をすることです。最適化をするとは、1000円なら買っても良いと考えている人には1000円で買っていただき、600円でないと買わない人には600円で買っていただくことです。

そんな差別できないと思いますが、USJもディズニーランドさえもそれをやり抜いて夢の国を存続させることで支持されています。

支持されているのは「利益へのこだわり」と共に「商品へのこだわり」があるからです。
「なぜ、それなんですか?」と聞いたときにその理由を熱心に語る人が必ずいます。

こだわりのない商品なら、どこで買っても同じなので買う基準は価格しかなくなります。
それは利益へのこだわりがないという意味になります。

自分で作ったものでもないのに、「こだわりようがない」と言う人もいるでしょう。そんなことはありません。「なぜ売るのか」というこだわりがあります。「在り方の違い」が必ずあるものです。

時代はどんどん変わって利益にこだわることが容易にできるなっていて、ますますその努力も進化しています。
その顕著な事例が寄付制度です。インターネットの世界では珍しくありません。昔からのやり方を疑わない方は「特殊な事例」と結論づけますが、そんなこともないのです。






クーポン券やスタンプカード、期間限定のサービス券もその典型的な事例です。

スタンプカードは何回も通わないとメリットがありません。その面倒くさいことを諦めずにクリアする方が安くないと買わない人です。途中で断念する人が高くてもいい人です。いくらなら買うのかを調べるのはクーポン券、期間限定のサービス券です。期間限定とは調査する期間、その結果で次の一手を打ちます。これをやるには全社的に合意できていなければうまくできません。

つまり利益にこだわるとは、売る側も面倒くさいことをしなければなりません。顧客も安く買うには面倒くさいことをクリアしなければなりません。もっと簡単にと、両方が思います。そうすると交渉力のない方、こだわりのない商品なら売る側が負けます。価格を下げないと売れない状態に陥ります。

競争相手も同じなら、「囚人のジレンマ」に陥り、猜疑心からどんどん価格を下げて、最後には利益が消えてしまい、存続できなくなります。

そういう業界であっても、利益にこだわるなら、顧客をグループ分けして、データを精査して1000円なら買っても良いと考えている人には1000円で買っていただくようにして、800円でしか買わない人には800円で売ります。

もし相手が安く売ってるようにしか見えなくても、裏方できちんと管理していると、フロントエンド商品で安く売って集客して、バックエンド商品で手堅く利益をあげている。そのためにスクーポンを使って、グループごとに対応を変えている場合があります。

するとフロントエンド商品では、同じように競争しているように見えても、実際にはキャッシュフローも違うので、対抗できなくなってしまいます。

これを避けるには、絶対利益の確保です。
単純な囚人のジレンマから脱出することが大事です。不安に支配されている限り蟻地獄は免れません。

つまりフロントエンド商品で安く売って集客しょうとする限り、いくらバックエンド商品があるといっても相手も持っています。総合力で明らかにこちらが優っているなら別ですが、そうでないと両方で負ける可能性が高くなります。

そこで重要なのは、異なるサービスを打出し、なおかつ「安い」という障壁の低さの用意することです。同じサービスで「安い」というのでは消耗するためにやるようなもので、お先真っ暗です。

同時にグループ分けをして管理することは必須条件です。(現在はどんどん個人単位にシフトしています)そうでないと、すべての顧客に同じ対策を打つことになるからです。利益にこだわらないことをやりながら利益にこだわっていると思っても、気持ちだけだということは明らかです。


利益にこだわらない限り利益は出ません。異なるサービスにこだわらない限り異なるサービスはできません。経営の生命線ともいえるこの2点をないがしろにすると、向かう先はひとつしかなくなります。





2014年7月28日月曜日

USJがV字回復できた理由(3)

(ユニバーサルスタジオのハリーポッター)


さて、ディズニーとユニバーサルにはこの点に違いがあります。ディズニーのファストパスは無料ですが、ユニバーサルはこれをV字回復をめざした時点から有料で販売するように変更しました。
ディズニーには、園内のディズニーホテル、園外のパートナーホテル、近郊のグッドネイバーホテルがあります。
そしてそれぞれにファストパスがついていますが、その枚数が違います。もっとも多いのが直営のディズニーホテルで、待つことなく3枚もらえます。ここに宿泊するとレストランも優先予約できます。もちろん園内ですから便利で、特典もついています。但し高い上、半年前には満室状態です。
ユニバーサルにはこの園内直営のホテルがなく、園外のパートナーホテル、近郊のグッドネイバーホテルのみです。
つまり、ユニバーサルがファストパスを有料で販売した理由はこの違いにあります。おかげで地方から来た顧客は、これを買うことで待ち時間を短縮できます。最初は午前中のみの販売というふれこみでしたが、すぐに売り切れてしまうので、いまでは夕方でも購入できます。ユニバーサルにすれば売れば売る程、喜ばれながら利益が出ます。

地元客に比べ何倍もの高い入園料を支払っていることになっている顧客にさらに料金を上乗せしている格好になっています。それでもWin-Winを創造しています。再三、来れない地方客は、余計にお金を払ってでも時間を買うことを選ぶのです。





ディズニーも同じです。体験すればするほど、余計に払ってでも時間を買う方が得だと理解するので、直営のディズニーホテルに宿泊しようとします。
その一方でディズニーが地元客を対象に割引チケットを販売しているように、ユニバーサルも地元客をターゲットにした2種類の年間パスポート(大人 14,800円、子供 9,800円のスタジオ・ゴールド・パス、大人 22,800円、子供 13,800円のスタジオ・プラチナ・パス)を発行、「年間スタジオ・パス」を持っている人と一緒に行けば、割引料金でチケットを買うサービスも実施。さらにトワイライト・パス(夕方からの入園限定)があります。
遠方の顧客に向けたトワイライト&デイパス(1.5日入場券)、2デイ・スタジオパス(2日入場券)を発行しています。
これら割引システムを大々的に宣伝する、その一方で基本入園料を値上げしています。
結局、以前に増して高い支払いをしているのは、<お金があり、時間のない遠方の顧客>です。

ハリーポッター導入によって、新聞が「渡りだした3万円の川(関東から大阪への交通費の意味)」と見出しに書いたように、関東圏の顧客には大きな出費です。ユニバーサルに行かなくてもディズニーで我慢しておけばいいという選択が崩れだしたのです。
彼らにとって、10万~20万の旅行です。入園料プラスファストパスで1万~2万アップしても10%であり、大きな出費増とは感じないのです。地元客と遠方客では、支払い総額が違うので、高い支払いをしている遠方の顧客の方が感じ方は小さいのです。

逆に近郊の顧客には、値下げによって、リピート回数を増やす作戦を展開。数年に一回しか行かない人でも、安さに惹かれて購入。稼働率をあげることで賑わいの演出に成功。混めば混む程、ファストパスが売れる仕組みを構築したことで、その結果<客単価×客数>両方のアップを実現。V字回復を現実のものにしたのです。
これらの作戦の成功を支えるのが、神と言われるまでに高めた接客力とアトラクション開発です。
ユニバーサルはユニバーサル作品にこだわらず、ブランドイメージを壊さないように注意しながらも、国内のヒット作品である「ワンピース」や他社作品である「ハリーポッター」を導入するなどアトラクション強化しています。
ディズニーもユニバーサルも、アトラクションを目玉に、地方の顧客に高い料金を容赦なく負担してもらっています。


このもっとも高い費用を支払うグループに照準を合わせ、高い負担にふさわしい満足を提供、WINーWINを実現する志とモチベーションを高めています。神と言われるまでに高めようとする意志が共有でき行動することでリピートが生まれる好循環が収益アップにつながっているのです。

つまり安くする背景の一方には、高く売る発想があり、増収増益のプランがあり、ヒットするかどうか分からないアトラクションを導入する以前に、<客単価×客数>をアップする展開を用意、成功させるモチベーションのもとで同時に決行する。どれかひとつ欠けても失敗する因果関係があるからです。



(ユニバーサルスタジオ・フロリダ)



2014年7月27日日曜日

USJがV字回復できた理由(2)


飛行機を空席で飛ばすくらいなら安くして満席して飛ばした方がマシだという発想はシンプルで分かりやすいものですが、埋めるためにはコスト無視だということではありません。
どうせ空席なら安くすればいいというのではなく、いくらまでなら採算がとれるのかという「採算ライン」つまり「限界費用」というルールが存在していることが分かります。そのバランスを考えて、<客数×客単価>の配分が行われています。



実際、飛行機の場合では「限界費用」を考えた上で、他社とタイアップした共同運航便を飛ばしています。共同運航便は複数の航空会社が一つの航空機にそれぞれの会社の便名を付けて運航する便のことで、乗客は待合室まで行って分かります。
東京ディズニーリゾートが地元客を対象に販促を打つことは、「お金はないが、時間はある人」を対象にするということに他なりません。
(お金の有無は絶対的という意味ではなく、あくまで相対的という意味をお忘れなく考えてください。)
東京ディズニーリゾートにとって「お金のある人」とは「地方の顧客」です。もっともお金のある人は、国内では北海道や沖縄の方々です。海外の顧客はさらにお金持ちということになります。
ディズニーから遠い地域(北海道、北東北、関西、中国、四国、九州、沖縄)は首都圏近辺の都県で販売される割引パスポートとは違って、旅行会社でパック旅行を申し込んだ方限定の販売となっている場合が中心です。
大阪などディズニーショップがある所を除くとパスポートは旅行会社での購入となります。つまり宿泊、交通費、入園料、食事代を併せた全部が遠方の顧客にとっての入園料なのです。
地元なら5000円で済むのに、沖縄なら10万円かかるというほど、不公平なのです。それだけ支払える能力のある顧客ですから、お金のある人なのです。しかし悲しいかな時間がありません。ますます不公平です。
顧客にすれば海外旅行に匹敵する費用を支払うわけですから、入園して待ってばかりでは何のために行ったのか分からないという不満が残ります。
しかし「神すぎるディズニーの責任ではなく、ファンが多いんだから仕方がない」と諦めるしかありません。残された道は自分で工夫して楽しむことです。
その心理に応えるため、東京ディズニーリゾートではファストパスを発行しています。
ファストパスとは、優先的にアトラクションを使えるチケットのことで、入場口(スタンバイ・エントランス)に並ぶことなく、専用入場口(ファストパス・エントランス)から通常より短時間で入場できる権利のことです。ファストパスの発券にお金はかかりません。料金は無料です。


ディズニー・ファストパスは【ファストパス発券所】で発券します。
この【ファストパス発券所】はファストパスに対応しているアトラクションに隣接して設置してあります。
「ディズニー・ファストパス」は全てのアトラクションが対応している訳ではなく、人気アトラクションでのみ実施されています。
例えば、「スプラッシュ・マウンテン」のファストパスが欲しい場合は、「スプラッシュ・マウンテン」のある場所へファストパスを発券しに行きます。それぞれのアトラクションのある場所が、それぞれのアトラクションのファストパスの発券所となっています。
但し、発券を受けるには待ち時間がかかります。それぞれのアトラクションの入り口の近くには、【タイムボード】というものがあります。
この【タイムボード】には「ファストパスの利用時間」と「スタンバイの待ち時間」が表示されています。「ファストパスの利用時間」とは、利用時間限定のことで、ファストパスに記載された時間帯にのみ活用ができて、「スタンバイの待ち時間」というのは普通に並んで待った場合の時間のことです。
ファストパスの発券枚数には限りがあるので、人気のあるアトラクションであればある程、早い時間帯にファストパス発券終了となってしまうので、混雑している日の人気アトラクションは開園から数時間で発券終了となってしまうこともよくあります。
このようにカップル、家族で行ったとしても、アトラクションを楽しむには二人あるいは家族が別行動で並ぶ時間が増えてしまいます。
この現象こそ利益の根源です。 

続く





2014年7月26日土曜日

USJがV字回復できた理由(1)



大阪にあるUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)には本国ハリウッドのそれと違い実際に撮影に使ったセットがありません。最初からハンディを背負ってオープン。その上、オープン間もなく起こった火薬の扱い量に対する消防からのクレーム。日本と米国の違いが華やかさにケチをつけました。

なんとなくイメージの低下は楽しさに水をさしました。ハリポタで湧くUSJの道のりは決して平坦ではありませんでした。

USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)のV字回復を考える前に東京ディズニーリゾート(オリエンタルランド)を考えてみましょう。

もし家族や大事な人とディズニーで楽しい時間を過ごしたいと思うなら、ちょっとしたプロジェクトになります。限られた時間、費用で、イメージする時間を過ごすことは大変困難だからです。

園内はアトラクションもレストランも行列なので、準備なしに行くと「待ち時間」に多くの時間を奪われ後悔することになります。最終的に人気のないアトラクションで過ごし、露天で売っているような食べ物しか口にできなかったというちょっと情けない思いのまま帰るハメになるからです。

そこでお父さんや彼氏は、頑張ろうとして、考え行動します。家族や彼女はその姿にうれしくなるので、リピーターが増えるのかも知れません。

東京ディズニーリゾートの方式は、入園料を支払いパスポートを手にすると個々のアトラクションは無料です。

元々は、パスポートに2種類あり、安いパスポートの場合は個々のアトラクションは有料、高いパスポートの場合は個々のアトラクションは無料という2者選択でした。

これが現在のアトラクションは無料のパスポート一本に変わった理由は、全体の稼働率を上げることが目的だと想像できます。園内の全設備、全従業員がフル稼働することで入園者をマックスまで引き上げることができるからです。稼働率をフル状態にすれば増収増益につながるからです。

しかしフル稼働すれば、顧客は人気のアトラクションを利用することが困難になります。

先にご紹介したスポーツジムの場合と同じで行ってもマシンが使えない状態と同じです。
曜日、時間帯ごとに顧客構成を理想的な状態にすることが課題になります。
土日しか利用できない人には土日を利用してもらい、平日の昼に来れる人にはそうしてもらい、夜しかこれない人には夜にきてもらう。

そのためにあの手この手を駆使しますが、コントロールの中心は価格設定、つまり顧客のグループ分けです。これを価格でもってコントロールするのが価格戦略です。(価格以外でコントロールする方法もあります。)

限られた資源を最適な状態で活用した結果が<客単価×客数>の最大値になります。





それには顧客ニーズとのマッチングが必要です。ニーズごとに分類したものが顧客グループであり、顧客を分類する際に見極める手段が価格設定なのです。

ニーズごとの顧客分類とは
  • お金も時間もある人

  • お金があるが、時間のない人

  • お金はないが、時間のある人

  • お金も時間もない人

つまり安くしたら売れて儲かったというのは、仕組みのごく一部分でしかなく遺失利益が隠れていることを意味しています。言い換えると仕組みを機能させていたら本当はもっと儲けることができたはずだということです。

ですから利益が少ない、儲からないというなら、仕組み全体に目をむけて、遺失利益の発見に目を向けることが大切になります。同時に仕組みが機能していない危険は、さらに収益を圧迫する可能性があることを示唆しています。

売上も利益も<客単価×客数>の結果でしかありませんから、新規顧客で<客数>を増やすこと。同時に<客単価>をアップするために顧客構成を変えることが課題になります。

この2点を制することで稼働率のパフォーマンスを最高に引き上げに成功して、限りある資源の有効活用ができます。

低い客単価で限界超えまで客数を呼び込んでも、ほどほどの客数でも高い客単価の店に及ばないことはあります。
稼働率のパフォーマンスを最高に引き上げるとは、これ以上ない<客単価×客数>のベストな組み合わせを実現する意味です。

そこで日本最大のテーマパーク、東京ディズニーリゾートがどのようにして<客単価×客数>を図っているか見てみましょう。

東京ディズニーリゾートには、「県民パスポート」「首都圏ウィークデースペシャルパスポート」「平日5日間だけ使えるウィークデーパスポート」「45歳以上限定の45PLUSパスポート」「全国の60歳以上の人に限定したシニアマルチデーパスポート」といった発売期間や地域、年齢などが限定された割引パスポートが発売されています。

これらは常時ということではなく、それぞれ期間限定ですが、なんとなく地味な印象です。この割引パスポートの内容は通常のワンデーパスポートと同じで「東京ディズニーランドか東京ディズニーシーのどちらかを一日楽しめるチケット」となっています。

さて、これは、次のどのグループに向けて用意されたクーポンなのでしょう?


  • お金も時間もある人

  • お金があるが、時間のない人

  • お金はないが、時間のある人

  • お金も時間もない人


お金はともかく「時間のある人」です。

「県民」「首都圏」「平日」「アダルト層」といったくくりを見ても分かるように、地元の人を対象にしています。このグループは費用をかけずに簡単に行くことができます。

アイドルタイムに稼働率をあげてくれる最適なグループです。

スポーツジムに置き換えると平日アイドルタイム限定の顧客グループと全く同じだということが見えてきます。飛行機を空席で飛ばすくらいなら安くして満席して飛ばした方がマシだという発想です。

ここで視点を少し変えてみます。



2014年7月25日金曜日

価格設定と接客力で顧客構成は変わる。(2)

前回から続く

安く売っても十分と思える利益、規模の経済性(スケールメリット)が機能しているなら、こんな面倒くさいと思えることをしなくてもいいでしょう。しかし面倒と思えることをコツコツ重ねていくことが広く使われている手法なのです。

なぜなら囚人のジレンマに陥り、ガチンコで価格競争をすれば、必ず利益が出なくなることは時間の問題だという自明の理だからです。

分かりきったことなので、牛丼業界の安値攻勢に対峙したコンビニ、ファストフードはもっと緻密な対策を打っています。





たとえば、マクドナルドは全国どこでも同じ価格をやめ、全国的な所得に合わせて、都心は高く、地方は安く価格設定をしました。その上で商品開発に力を入れる一方で値上げを繰り返しました。
安い商品も持っていますが、目立たないようにして<安い商品を注文する敷居を高く>して、高い商品が注文されるように誘導、客層をセグメントしました。同時にコーヒーの味を改善した上で最初のコーヒー無料サービスを実施(お代わりも無料サービスが受けられますが公表していないので知っている人だけが恩恵を受けています)

さらにメールを使ったごく一般的なクーポンと、かざして処理するクーポンの2種類を発行しました。値上げを繰り返したので、クーポンを利用しない人(主に携帯を活用しきれない年配者=お金があり、時間のない人)には、かなり高くなったイメージが残っているはずですが、時間がないので短時間で食事を済ませたい人は利用します。お金があり、時間のある人は元々利用していません。

このかざして処理するクーポンは巧妙です。顧客に個人情報を登録させた上で購入履歴を集計、顧客単位でクーポンを発行できるだけでなく、利用している店の空席情報、稼働状況とマッチングさせたクーポンを発行する仕組みを持っています。ITを活用した情報戦のようで、飛行機のマイレージの考え方を取り込んでいるのです。

この発想は「とにかく売れたら儲かるからそれでいい」ではなく、店舗の生産性の向上、ここでは「稼働率」を引き上げる徹底したコスト管理の賜物です。クーポンに魅力を与えるために値上げし、その上で割引クーポンを発行し、さらに稼働率を引き上げるために活用する。

管理コストに費用をかけるより、シンプルな方法が得という計算が牛丼チェーンに働いているのでしょうが、安く売るために従業員を少なくし、極限状態で働かせ、挙げ句ストライキ騒動に発展、舗縮小を余儀なくされる展開と視点の違いには考えさせられます。



さて、飛行機のマイレージの考え方はよく知られていますが、空席で飛ばすなら乗せて飛ばした方がマシという発想でスタートしたサービスです。正規のチケット、予約割引チケット、団体割引チケット、無料チケット、代理店を通したディスカウントチケット、(顧客情報を使った)個別の顧客対応のディスカウントチケットというように種類も料金も違うを組み合わせて便単位で稼働率をあげるように工夫されています。つまり顧客構成を組み合わせで便ごとに利益の最大化をめざしています。顧客から見れば同じ飛行機に乗っていて、同じサービスを受けていても、人によって、価格が全く違うわけですが、誰がいくらで手にしたか、分からないまま乗っているのです。【4種類の顧客×稼働率=最大利益】の発想です。




同じ考え方をしているのが、スポーツクラブ(ジム)です。

大多数の普通の人は平日の昼間働いているので、夜、土日祝しか利用できません。この人(時間のない人)たちにはいつでも利用可能な一番高い会員料を設定しますが、「いまだけ割引」を何度も繰り返して獲得に力を入れています。

昼間はアイドルタイムになるので稼働率をあげるために夕方まで限定利用できる会員を割安で募集します。高齢者、主婦、自由が利く、時間のある人が主流になります。

このモデルでは、<お金があり、時間のある人>が安く利用できてしまいます。その分を補うように基本サービス外の物販、サービスで客単価をあげる工夫をしています。逆に主流ユーザである若いユーザ層(お金も時間もない人)は、高い会員料を支払うことになります。かっこ良くなりたいというニーズをターゲットにするものの、継続利用が難しいので、新規会員獲得キャンペーンを絶え間なく行うことになり、入会のタイミングで支払額はバラバラになります。

ジム側にすれば他の会員との細かい整合性など構っていられなくなります。顧客には不満が生じますが、スタッフのコミュニケーションで補おうとします。質の高いスキルとコミュニケーション能力が問われますが、定着率が高いとは言えず課題が残されています。

<お金も時間もない人>には、毎日90分だけ利用可能な会員とか、土日祝だけ利用可能とか、料金×時間(曜日)の組み合わせで時間帯ごとの稼働率を最大限アップしています。時間帯ごとの稼働率を無視して安売りすれば顧客は行っても混雑していて利用できないと苦情が噴出し顧客離れが起こってしまうので、常に会員カードによる入出店状況を観察管理しながら販売促進を打っています。

稼働率が低く、マシン利用に空きがあれば安くしても得ですし、空きが少なければ安くせずに獲得に努めるので、顧客は同じ空間を同じ時刻に利用していますが、たまたま偶然利用しているだけで、ここも顧客が支払っている費用はマチマチです。

価格設定と接客力で顧客構成は変わります。顧客をグループごとに分類して対策を打つのが現実的で費用も抑えられます。変える理由は 最強のWINーWINを実現して、利益を最大化するためです。

みんな一様に安くしてくれと言います。特に消耗品の場合は顕著です。違いが分からないほど、価格が基準になります。
しかし、見方を変えるとはっきり言えることは、違いが伝わっていない。伝えようとしていない。違いを作ろうとしていない。
だから顧客は価格で判断するしかないという事実を作っているのは顧客でないということです。

最強のWINーWINを実現して、利益を最大化するために、顧客構成を変えます。顧客によって求めていることが違うからです。

お金があり、時間のない人(高くても買うグループ)→コミュニケーション力(親密度)
お金があり、時間のない人(それなりに高く買うグループ)→費用よりフォロー
お金がなく、時間のある人(割安なら買ってもいいかなグループ)→期間限定の特典
お金がなく、時間のない人(安くないと買う気のないグループ)→価格


顧客層によって対策は変わります。つまりニーズに応えようとするからです。実際に店は顧客と共に創っています。



2014年7月24日木曜日

価格設定と接客力で顧客構成は変わる。(1)

高くても買ってくれる人には高く、安くないと買わない人には安く売ることで、客単価×客数=売上(利益)を最大化できます。

安く売るのは高く売るためと言っても過言ではなく、最近益々増える無料サービスによる高収益が成り立っているのは、高い支払いをしてくれる顧客がいることからも容易に理解できるでしょう。

しかし「あなたは高く買ってくれますか?」と聞かれて「いいですよ」と答える顧客はいないので、売る側は、独自に調査する必要があります。典型的な事例が新車販売です。同じ車種でもいろんなグレードの車が用意されています。もっと身近な事例がお寿司屋さんなどで見かける「松竹梅」です。






料理屋さんで働いている方や経営者さんに聞くとほとんどが、一番安いのを食べるのが得ですと言います。それを可能にしているのがグレードの高い商品を買ってくれる顧客です。このグループが負担してくれていると言っても過言ではないということです。これを間違うと自社が負担して赤字になります。

さて、そのありがたい顧客の見つけ方です。ほとんどが「高くしてくれ」とは言わず「安くしてくれ」と言います。そこに”安くしないと売れない”と思い込んでしまう「囚人のジレンマ」にひっかかる基礎があります。

先にあげた「松竹梅」が用意できる場合は簡単です。牛丼チェーンも似たことはしていますが、同じ車種、グレードの違いのように感じにくく、違う車種のように感じてしまう構成なのが難点。

ガソリンのような場合では、メカニックなマッチングの問題があるので、ハイオクとレギュラーガソリンをもって「松竹梅」と同じように考えるわけにはいきません。

そこでガソリンスタンドの場合ならスタンプカードのような仕掛けを使うことで判断するようにします。残念なことに実際にはそこまでの意識をしているスタンドは皆無に近いですが、顧客の方は業界を問わず共通した行動を示し、「安くないと買わない顧客」は熱心にクリアしようとします。

高くても買ってしまう顧客はスタンプカードをもらっても、こだわりが弱いのでなくしたり、忘れたりします。その結果を見て次のステップでより鮮明に対応することが可能になります。カードとITを使った情報管理はそれを容易にします。それが難しい場合はアナログで繋いでいくようにします。

実施しているガソリンスタンドは少ないですが、少ない数量指定の顧客との会話や、「高いな」と文句言った顧客だけに「こんなカードお渡ししていませんでしたか?」と後出しジャンケンで割引カードを発行している店もあります。誰にどのように対応するかは店頭のスタッフの眼力、センスで効果が変ります。


購買履歴でグループ分けして、ランク付けで価格設定する方法は、IT活用と言ってもシンプルなので管理コスト面で、安く抑えられ手軽ですが、対応には慎重さが欠かせません、買えば買う程安くする仕組みには、なんのためか、そもそもの目標を見誤ると単なるギフトになってしまうリスクがあるからです。つまり「客層の構成で作る利益の出る客単価づくり」ができなくなってしまうからです。

単なるギフトになってしまうと、高くても買ってくれる人にも安くしないと売れないと考えてしまうミスをやらかすからです。買えば買う程安くなる仕組みを導入している場合、安くする必要があるので、その点に注目してしまい、本当の関係作りにまで手が回らなくなってしまう危険があります。

高くても買ってくれる人へのギフトは、価格ではなく、研ぎすまされた接客力<親近感><優れたコミュニケーション能力>が適切なのです。<お金があって、時間のある人>たちは情報量も豊富だし俯瞰する能力も高いのが一般的なので、小手先のハウツーは通用しない割合が高いからです。

この層の方は信頼されると関係を大切にしていただけるありがたい顧客層です。売り手が能力テストをされてしまう傾向にありますが、実はありがたいことで、店の成長を促していただける存在なのです。能力テストをクリアすると大事にしていただけるだけでなく、高くても買っていただけるのです。

売り手に(商売人として成長したいという)在り方があれば、売り手の教育をしていただける層の顧客です。そのチャンスを活かすも殺すもマネジャーの力量なのです。店は顧客と共に作る意識がある人には、顧客構成を考えるときに考慮すべき課題になります。


買えば買う程安くなる仕組みを導入している場合、仕組み上、安くする必要がありますが、顧客単位の<客単価アップ>で最大化します。それが満足度を高める結果になることを考慮しておきたいものです。この段階ではDOよりもBE~在り方が重要になるのです。そのモデルのひとつに「レクサス」があります。



2014年7月18日金曜日

典型的な「囚人のジレンマ」どっぷりの業界に<儲けるヒント>を見つける

典型的な「囚人のジレンマ*」に陥っている牛丼、ガソリンスタンド業界

*(Wikipediaより)
囚人のジレンマ(しゅうじんのジレンマ、英:Prisoner’s Dilemma)とは、ゲーム理論経済学における重要概念の一つで、「互いに協調する方が裏切り合うよりもよい結果になることが分かっていても、皆が自身の利益を優先している状況下では、互いに裏切りあってしまう」というようなジレンマを指す。
共同で犯罪を行ったと思われる囚人A、Bを自白させるため、警官は2人に以下の条件を伝えた。
もし、お前らが2人とも黙秘したら、2人とも懲役2年だ。
だが、お前らのうち1人だけが自白したらそいつはその場で釈放してやろう(つまり懲役0年)。この場合自白しなかった方は懲役10年だ。
ただし、お前らが2人とも自白したら、2人とも懲役5年だ。
この時、2人の囚人は共犯者と協調して黙秘すべきか、それとも共犯者を裏切って自白すべきか、というのが問題である。 なお彼ら2人は別室に隔離される等しており、2人の間で強制力のある合意を形成できない 状況におかれているとする。 (例えば自分だけが釈放されるように相方を脅迫したり、二人共黙秘するような契約書をかわしたりすることはできないと言うこと)。
(略)
現実世界における事象にも囚人のジレンマを使って説明できるものが多くあるため、このジレンマは政治経済の解析にかかせない。 例えば、A国とB国が両方とも軍隊を廃止すれば、費用をかけず平和を維持できるのに、自国の利益を優先して双方とも大きな費用のかかる軍隊を持ってしまう。また、低価格競争でも、A社とB社が両方とも値下げを止めれば儲けが増えるにもかかわらず、自社の利益を優先して双方ともに値下げしてしまう。
その一方で、囚人のジレンマのような状況でも、協調が実現している経済現象も存在する。例えば談合など、相手の行動に拘らず自分が裏切れば利得を得ることができるのに、実際には協調し続けるような状況があげられる。このような状況は、談合はいつ終わるか分からないので無限回繰り返しゲームと解釈することで協調を説明することができる。


牛丼業界の価格競争の始まりは、コンビニ、ファストフードから顧客を奪う目的で始まりました。原価が高い吉野家も巻き込まれ追随せざるを得なくなりましたが、すき家、松屋と真っ向から競争を避けて割引クーポン主体でリピーターを取り込むように打って出たのが特長で新規顧客の獲得がふるわないようでした。
しかし昨年牛丼の倍以上もする価格の「牛すき鍋」を開発。冬に投入したところ大ヒット商品となり株価を押し上げました。ユーザは価格だけを求めていないことが実証され、「すき家」「松屋」をはじめ他社も追随しましたが具材と味の違いは明白でした。
今年になり恒常的に過酷な職場環境に加え人出不足の問題が起こり、一時的な休業に追い込まれたのが「すき家」でした。
「囚人のジレンマ」から抜け出すには協調か独自性の発揮しかありません。自社でできるのは独自性の発揮しかありません。
小売サービス業、永遠の課題である「客単価×客数」を同時に引き上げた「他社の真似をしない価値ある独自性」を発揮した吉野家の事例は参考になります。
「値決めは経営」と言ったのは稲盛氏(京セラ)。
「値上げの理由は”おいしくなったから”が正解」と名言を残したのはマクドナルドの原田氏。
価値を創造し、値上げの理由を作って行くのが経営の本分だと言えます。ガソリンスタンド業界も牛丼業界に匹敵する熾烈な競争を展開をしていますが、食事もガソリンも1回満タン分を買ってしまうとそれ以上は安くてもどうしょうもない代物だという点で似ています。しかも他に取扱い商品がないという点でも似ています。



2014年7月14日月曜日

あなたは何を見て価格設定、ホスピタリティをやっていますか?




Aという商品があります。

ある人は3000円で買ったけど、ある人は1500円で買った。

しかし、3000円で買った人は5000円まで払う気持ちがあった。
1500円の人は2500円まで払うつもりがあった。


価格と買いたいの関係はいろいろありますが、DVD市場はこのパターンを反映している典型的な事例です。


V字回復著しいユニバーサルスタジオジャパン(USJ)に導入され人気再燃の「ハリーポッターシリーズも、最初にリリースされた時は、コレクター向けなら8000円前後、一般品で4000円前後しますが、時間の経過とともに、値下がりし1000円以下で販売されます。

早く見たい人は高くても買うし、いつか見れるといいと思っている人は値下がりするまで待ちます。お金を出せない人はレンタルで借りてみます。

これは沢山売れるからできるのです。逆に売れないと買う人が限定されてしまうので値下がりしません。しても売れないからですが、特定の人しか買わないものは、レンタル市場にも出回らないので、欲しい人は高くても買います。

・高くても買う。(お金を出せるマニア)
・まあまあなら買う。(お金を出せるファン)
・安ければ買う。(マニア、フアンだが、そこまでお金が出せない)
・安くしないと買わない。(マニア、フアンだが、そこまでお金が出せない)
・安ければもっと買う。(マニア、フアンでシリーズを揃える)
・安くても買わない(レンタルで見る)

人間は感情の動物なので、心を刺激しマニアのレベルまで高めることができれば、お金を出してくれます。そこをターゲットに商品作りがなされます。

価格戦略は、感情を巻き込んだ戦略であって売り手にとって心理戦争、情報戦です

値決めは経営と言われるように、利益獲得の重大な要素である価格を決める上で、外せないことがあるます。

お客様には4つのタイプがあることです。

お金のある人、時間のある人。
お金のある人、時間のない人。
お金のない人、時間のある人。
お金のない人、時間のない人。

ここで言うのは絶対的な「富裕層」という意味ではありません。お金を出せる人という意味なので感情を含んでいます。感情というキーワードは重要なので忘れないでください。

たとえば「ドトールなら自販機でいいわ。スターバックスなら600円出してもいいわ。エッ!混んでる並ぶわ」(逆の場合もあります)という意味でお金のある人です。


すぐに分かることですが、儲けている会社は、「お金のある人、時間のある人。」を主要顧客にしている会社です。逆は「お金のない人、時間のない人。」を主要顧客にしていています。このタイプの層は対策がなく、打つ手が限定されてしまうので囚人のジレンマ」に陥ってしまいやすいのです。

ところが、

お金のある人、時間のある人。
お金のある人、時間のない人。
お金のない人、時間のある人。

を対象にしていると、打つ手は広がります。

お金のある人、時間のない人。
お金のない人、時間のある人。

を対象にしていると、打つ手は広がります。そもそも顧客が問題を抱えているからです。

たとえば「お金も時間もある人」は車を現金で買えます。
それが得だからと分かっていて、それを実践するお金も時間もあるので、このタイプの方と商売はしにくいのです。
そこで人間関係を高度に発展させようと努力します。レクサスのお店がそうです。
「お金も時間もない人。」の逆パターンです。

しかし、それ以上に「お金も時間もない人。」は厄介です。安くしても並ばない人です。
売る側からすれば「わがままな人」です。書類もメールも読むことをいやがります。
客単価は低いのに「もっと分かりやすくしろ」「もっと早くしろ」と苦情を言います。
声は大きいのでこれを顧客の声として受け取る錯覚をしてしまいます。除外した方が賢明である客層です。

除外するために並ばせる、わざと分かりにくくするのも戦略なのです。

高い収益をあげている会社は、客層を理想的な構成にするために価格をさわります
そのために割引クーポンを使ったり、ポイントサービスを使ったり、逆になにもしないのも手段なのです。なにもしないけど最高のサービスをしますというのは、「お金も時間もある人」への対策になります。
あらゆる手段を講じて、利益を最大化する顧客構成を作るようにします。

最初から売れて、利益が出せることは稀です。「お金も時間もない人。」も必要な時期があります。そこで目標を設定して、徐々に理想的な客層づくりをしていきます。それには価格戦略と併せて接客力もバランスをとって、顧客の感情を動かすようにして全体の調和をとりながら利益を最大化していきます。

怖いのは「お金も時間もない人。」が主力になり、他の客層が減ることです。店が荒む原因にもなります。その責任は店にありますが、店作りは顧客とするものです。売り手だけではできません。ですからステークホルダー、クレドといったものが利益の源泉として見えないが寄与するようになるのです。

売上、利益の計算は、客単価×客数しかありません。こんなことはみんな知っていますが、その真実をしらない人はたくさんいます。

チェーン展開の場合は、A店の事例がB店にもそのままあてはまることはありませんが、過去の事例、体験を活かすことができるので有利です。

うさぎとかめの話は有名ですが、勝つはずの兎は亀に負けましたが、両者は見ていたところが違ったのです。兎は亀を見ていましたが、亀はゴールを見ていたのです。

あなたはどこを見てますか?
見る所が違えば、価格に対する考え方も、ホスピタリティに対する考え方も違います。






2014年5月20日火曜日

現状否定を繰り返し、現状から脱出するために死に物狂いの努力



飲食業でない人が読めば、「なるほど、しかしウチとは事情が違う。うちが飲食業なら。。。」と言い放つ人たちの顔が目に浮かぶ。そこに大きな間違いがある。

一見、乱暴なようでも、原理原則を貫いている点に共感する本だ。本のタイトルは本が売れるように考えられたにすぎない。「売れる仕組み」というより、「売れる生き方」の方が正しい気がする。

「常に現状否定を繰り返し、現状から脱出するために死に物狂いの努力。」。。。言ってみればこれだけですが、これができない。
社長自身がやるからできる。やれるようにひとつに絞り込んでいる。


ひとつに絞り込めるように万一を考えて逃げ場も用意している。「ハイリスク、ハイリターン」でも「ギャンブル」でもない。色川武大氏がプロの賭博師の博打の張り方を書いていたがそれに通じる。

プロはそれで生計を立てているのだから、賭博師といえども運に任せるような賭け方は絶対にしない。どんな商売でも同じだ。

SEOもSNSもひとつの事例にすぎない。大事なことは進取の精神と行動。その源泉は成功にしがみつかない現状否定にある。現状否定こそ失敗しない対策なのだ。その失敗の事例を行列のできる人気ラーメン店で語っている。

飲食業に限らない。どんな職業にも通じる仕事の話であり、人生の話だ。錆びた脳を磨くのに最適の良書。ハウツー本では語られる事のない真実がある。

2014年4月3日木曜日

どこでどのように課金するか。

どこでどのように誰から儲けるか?
王道モデルしか頭にないということはありませんか?
お金を払ってくれるのは目の前のお客様だけではない。



物々交換型
事例:商品またはサービスと引き換えに代金を回収。スターバックスなど。
特長:最も広く一般に認知されている小売業のパターン。小学生でも分かる商売の王道モデルだが、このモデルに束縛されていたら現代のニーズについていけない。しかもこのモデルの現状では大型チェーン又は明らかに他店と違う差別化された店だけが儲かる状況にある。

そのいずれかをクリアできない場合、細々と儲けるしかない状況にある。業種にもよるがこのロジックでの勝敗はほぼ決着済みの状況にあり、強者VS強者の戦いになっているが、スターバックスのようにブルーオーシャン戦略(オンリーワン)が打ち立てられないと苦戦する。

弱者が採択するロジックではないが、思い込みが強く、意識改革が遅れているため、このロジックに疑問を持たない企業(店)が依然として多い。

そのため極端な棲み分けが進んでいる。このやり方に留まるなら早急にブランド化+大型チェーン化するか、誰の目にも明らかな差別化をしないと状態は悪くなる一方だ。ガチンコで勝負したら利益が出ないのはロジックを精査すれば必至だと解る。お金を払ってくれるのは目の前のお客様だけではないことに目を向けるべきだ。


インストール型時間差なしタイプ(損して得とるパターン1)
事例:牛丼チェーン、セルフうどんチェーン、ガソリンスタンド
特長:メイン商品を低価格で販売し、玉子、天ぷら、おにぎり、燃料油以外の商品で収益アップを図る。


インストール型時間差タイプ(損して得とるパターン2)
事例:プリンタのトナーインク、ジレット(カミソリの刃)、ネスカフェのコーヒーサーバ
特長:手軽に興味を持ってもらえるメインの商品を安価で先に購入してもらい利益幅の大きいメンテナンス商品で儲ける。


サブスクリプション(定期支払×定額支払) 
事例:新聞、雑誌購読、学校の定額制
   (光熱費、水道、電話の場合は従量制)
特長:長いおつきあいを前提にしており長期契約で固定費を賄うことで、固定的な利益が見込む。
電気、電話、ガスのように使用量に応じて支払う従量制もある。


マルチコンポーネント
事例:飲料水(スーパー、自販機、鉄道、劇場などで販売価格が違う)、じゃがりこ
特長:買う人あるいは買う場所で価格が違う。飲料水の場合、スーパーは最安値だが大量陳列でブランドを露出することが広告になっている。じゃがりこはカルピスが販売した子ども向けのお菓子だが、お弁当のおかずに使える提案をしたことでヒット、主婦向けにプロモーション、パッケージなどをアレンジして倍以上の価格で販売している。


ブロックバスター
事例:映画
特長:マルチコンポーネントに似ているが、時間差を活用している点が特長的で、時間の経過と共に商品パッケージ、価格が変わっていく。映画が顕著な事例。劇場公開、 DVD (高値)、衛星放送、地上波放送、 DVD(安価)


ピラミッドパターン
事例:ハイエンド商品を取り扱うブランド力のある企業が「雑誌の付録」に特製の商品を提供
特長:露出を高めて新規ユーザを自社のフィールドに誘導し、ハイエンド商品に結びつける


マルチサイドプラットフォーム(三者間市場)
事例:google、フリーペーパー、 ガリバー、民放テレビ局、アマゾン、iTunes、Line
特長:三者間でつきあう理由が違うのが特長的でそれぞれ役割を錯覚してしまうことがよくある。エンドユーザから儲けずプレーヤーから儲けるパターンが多い。

大量のエンドユーザを無料で集めてエンドユーザから儲けずプレーヤー、企業から儲ける(広告などの場合もあるし、ガリバーのようにエンドユーザが仕入れ先になっていて、売り先がプレイヤー〜中古車業者、オークションになっているケースもある。)
またLineもエンドユーザには無料で使用権限を提供し、その利用者の多さを武器に企業から高い収益をあげる。
これらは従来からあるテレビ局(民放)と同じパターンである。視聴者から儲けず、スポンサーから儲けるパターンはgoogle、フリーペーパーと同じだ。ロジックは同じでも「つきあう理由」は様々でパターンに広がりを見せている。


フリーミアム
事例:エバーノート、Dropbox、IE、スマホアプリ、GREE(ゲーム)、 スカイプ、Line、日本調剤。
特長:大量に機能制限のついた製品の無料配布、認知されブランド力がつくと、その後、高機能な有償モデルの提案などをして有料に切り換える。インターネット、クラウドに多いような気がするがそれだけではない。キーワードは共有(シェア)だ。
たとえば日本調剤の場合がそうだ。ひとつのビルの中に内科、眼科など複数の科がテナントとして入居、医療モールを築く。入居した医院には患者の相互紹介などのメリットがある。各医院との長い付き合いが生まれるため、開業後のフォローもしっかりでき、<共有(シェア)>が医療モール全体の活性化になっている。<日本調剤>は医療モールへの医師の開業支援を無料にし、開業後に各医院から出される処方箋の調剤を行うことで収益をあげている。


模擬困難なシステム
事例: TUTAYA -Tカード、google、
特長:自社、提携先から大量にカード発行し、使用されたカードのデータを集計、ビッグデータ化した上で、顧客の行動特性を把握して、加工、企業にプレゼンして高い収益をあげるTカードのようなケースがコンビニ発信で増えている。
googleドライブのように高機能かつ無料でエンドユーザを惹き付け、広告で収益をあげるケースも同じロジック。


ミックス型
事例:ディズニーランド
特長;ディズニーのようにテーマパークが映画と連動していることで、広く多岐にわたる蜘蛛の巣のような巧妙なエンドレスのマーケティングが展開できる。


考えるポイント
  • 誰から儲けるか(全員、儲ける相手、儲けない相手)
  • どの商品、サービスで儲けるか(全商品、儲ける商品、儲けない商品)
  • 時間軸をずらして儲ける(同時に儲ける、時間差で儲ける)

販売力(集客力)をMAXまで持って行くためにポイントをはっきりと意識してステークホルダーごとに鮮明な戦略を採用する。

昭和までの典型的な売り切り型が中心の時代と違って、プレイヤー、エンドユーザとの信頼関係が重要度を増している。なぜなら<共有(シェア)>が核にあるからだ。共有の概念と、この因果関係が理解できないと成長は困難であるばかりか駆逐される運命にある。信頼関係は利用者の多さで判断されている。情報社会の決定的な特長だ。




2014年1月28日火曜日

安く売ることができる力

よく安く売るなら誰でも売れると、安く売る人を下に置いたような見方をする人がいます。
それはコミュニケーション力、人間関係力を使おうとしない姿勢を批判的に語っていることが多いのですが、長く継続して、ステークホルダーとの関係が良くなければ継続できません。
だから安く売るにはコミュニケーション力、人間関係力がしっかりしていないと続かないのです。
さて、コミュニケーション力とは?
コミュニケーション力は、次の3つに集約できます。
・伝えたいことがある
・伝えたいWIN-WINの意欲がある
・正しく伝えるスキルがある

伝えるスキルとは
・正しいフレームワークが使える
・正しいプロセス(PDCA)を使える
・正しい態度(率直・誠実・対等・自己責任)がとれる
・正しく反省ができる

以上がバランスよく揃っていることです。


安く売るのは簡単です。でも長く安く売り続けるのは、大変な努力が必要です。
安く売ることとコストパフォーマンスが高いことは似て非なるものです。

ところがコストパフォーマンスを気にしていない人が多いのの事実なのです。
それでも通用してしまうからですが、長く通用するはずがないのです。

その安売りが正しいのか、どんな問題を含んでいるのか?
正しいフレームワークとして役に立つものをいくつかご紹介します。
  • 事実・認識・行動の3段階
  • 3Cモデル
  • マーケティング・ミックスの4P
  • サービスの5原則
  • 5W1H
  • 人口分布曲線
  • 製品進化トライアングル
  • イノベーター理論(採用者分布曲線)
  • 事業優先順位のマトリックス
  • SWHO
  • 緊急度・重要度のマトリックス
  • PPM分析(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)
  • エドワード・デ・ボノ博士の6つの帽子(水平思考)
  • CTQ(シックスシグマ)
  • 移動平均法
  • Seven S
  • 事業優先順位設定
等です。


どういったフレームワークを使えばいいかは、事実によって変わります。